【回答】
問題は大きく3つに分けられます.
1,開発初期の機体につきもののトラブル
ある特定の飛行形態(ミサイルや増漕の組み合わせ)のとき,ある特定の飛行をした場合に,機体に設計許容範囲以上の負荷がかかったり,振動が起きたりする.
→ これに関しては,飛行制御ソフトを書き換えて,「ある特定の飛行形態」のときに「ある特定の飛行」をできないようにしました.
これで問題解決なのですが…,
その制限が,空中戦を行ったときに命取りになる可能性も,十分に考えられます.
2,レーダの致命的な欠陥
探知距離が設計の半分だとか1/3だとかいわれており,さらにいったん捕捉した敵が,レーダからこつ然と消えたり,ロックしたはずの敵へのロックが外れたりと,かなりの問題児のようです.
ソフトの書き換えで改善するとも,機首のピトー管が原因だとも言われていますが,解決には数年かかる(もし解決するのであれば…)というのが一般的な見方のようです.
3,搭載可能なミサイルの問題
F-2は支援戦闘機なので,他の問題に比べると,あまり問題にはされていませんが,F-2が現在搭載可能な中距離対空ミサイルは,30年前の代物のAIM-7Fです.
(F-2ではAIM-7F/Mが搭載可能なももの,FCSがAIM-7Fにしか対応していないので,AIM-7MつんでもAIM-7F相当としてか使用できないのです)
F-15が搭載可能,もしくはここ数年で搭載可能になる近代的なAIM-120, AAM-4とは違い,AIM-9Fで空中戦をやったら,多くの場合負けてしまいます.
さらにF-2には,近代的な中距離ミサイルを搭載するように改修をする予定が,現在のところありません.
※ ただし本稿は,2002年当時の見解であることに留意されたし.