【回答】
それこそピンきりだがね.
西欧中世の軍隊の場合,傭兵だから,王や領主の直率軍だから,特に装備が良いとか悪いとかいう事は無い.
本人達やスポンサーが,その部隊にどんな任務を行わせる積りで,実際にどこまで金掛けたかって問題.
ゆえに時代,国,地域,傭兵の形態にいたるまで,いろいろな要素が絡み合う.
中世より後の時代,三十年戦争の頃のドイツ人傭兵(ランツクネヒトなど)やスイス人傭兵を見ても,それこそピンからキリまである.
比較対象の正規の軍隊といっても,これまた装備錬度にいたるまではピンきりだし.
なんだっけか,中近世の軍隊でとある王様が率いていた軍隊の兵員数が,傭兵含めて15万くらいいたけれど,そのうち戦闘要員は4万くらいで,残りは軍隊付きの娼婦や商人,傭兵が連れてきていた家族(金や略奪で得た女達)や下僕(限りなく奴隷に近い)だったという,現代からしたら笑えない話もあった.
中世の頃の傭兵は産業分野が未発達なのに人口がそこそこ多くて,産業に人口を吸収できる余地がなくて「喰うために」傭兵になる奴が多かったのもあるので,「日本の」アニメ,ゲーム,漫画のイメージは捨てたほうがいい.
傭兵に進んで志願する連中は農家の次男坊,三男坊以下や下級貴族や下級軍人の次男坊以下などが多い.
つまり基本的に,中世から近世の傭兵の多くは「棄民」といってもよい連中なので,よほど条件の良い雇い主のもとにいない限り,略奪するのが普通だから.
喰うために戦争に付いて行き,戦場で子供を作ったらその子供が男であれば,その子供も軍隊(傭兵集団)の中で結婚して,また兵士となるっていう循環すらあった.
ランツクネヒトの外見は煌びやかだったらしいけれど,あれは自分の持っている全財産を,いつも身に着けていただけともいふ.
こういった連中は,実家からの財産分与の権利が無いので,戦争で一発当てようという気運が高く,傭兵を雇っている側も,給与の支払いが滞ったりした場合に,傭兵が行う略奪を「ある程度」認める諸侯もいた.
戦争すれば常に兵糧不足ってのが多々あったし,三十年戦争の時には,カトリック側(神聖ローマ皇帝軍)の傭兵がマグデブルクで「大虐殺」やってるしな.
あの時は人口3万人に対して約2万5,000人も殺している.
助かった人間の多くは,傭兵が陵辱対象として確保していた「婦女子」だけで,あとのほとんどは殺され,都市には火が放たれて,街は一度灰塵に帰している.
三十年戦争前のプロイセンて人口の2,000万くらいいたのに,戦後は約1,300万人くらいにまで人口が減っている.
(疫病もあったとはいえ,宗教対立と政治対立による殺し合いのせいもある).
産業革命以前の世界で,これだけの減少率はかなり危ない数値.
近世ドイツでは,都市の商人達を人質に取り,金を要求する私闘(フェーデ)を仕掛ける,農民達からは地元領主よりも好かれていた,いわゆる「盗賊騎士」と,それらに対抗するため,都市に雇われて商人達を守る「傭兵騎士」がいた.
「鉄腕ゲッツ行状記」は盗賊騎士の自伝で,ドン・キホーテばりの活躍を見せている.
興味があるなら,これもお勧め.
欧州の中近世における傭兵の立ち位置としては,以下の本が役に立つよ.
・傭兵の二千年史
(菊池良生/講談社現代新書)
・ドイツ三十年戦争
(C.V.ウェッジウッド/瀬原義生 訳/刀水書房)
・世界史リブレット80 ヨーロッパの傭兵
(鈴木直志/山川出版社)
本を買うのはちょっと・・・という場合はこちらのまとめスレがお勧め.
やる夫が北方の獅子王になるようです まとめ
あるいは,とりあえずこのリンクと関連項目を,片っ端から読んでみたらどうだい. 傭兵 - Wikipedia
歴史上初めて,国民による常備軍(徴兵制)を導入したスウェーデン王国国王グスタフ・アドルフの話だから,中世・近世ベースの創作作品に傭兵を出すなら,見ておくと参考になるよ.
874:名無し三等兵 :2011/12/31(土) 23:31:21.27 ID:??? 「金持ちケンカせず」