【質問】 太平洋戦争の連合軍の沿岸砲は,艦砲の転用が多かったのですか?


 【質問】
 太平洋の島嶼戦を眺めていると,日本軍の沿岸砲は,要塞に配された砲を除くと大体,駆逐艦クラスの主砲転用,あるいは戦艦の副砲,高角砲の転用が目立ちますが,太平洋方面の連合軍の沿岸砲はどうだったのでしょうか?

 【回答】
 英軍がシンガポール要塞に配備した沿岸砲のうち,15インチ砲(38cm砲)5門は,艦砲を流用したものです.
 その他,6インチ砲(15cm砲)も14門,9.2インチ砲(23cm砲) も2門配備されていました.

 余談ですが,島の南西部に配置された15インチ砲は,上陸した第6戦車連隊に対して発砲し,吹き飛ばされた戦車があったとか….

 米軍の海岸砲としては,隠顕式砲架の14インチ砲が有名ですが,これが艦砲の流用かどうかはちょっと判りませんでした.
 陸軍砲では155mmM1917加農砲が,海岸防御のため多く用いられていたそうです.
 また,ウェーク島で駆逐艦疾風と追風を沈めた,"3インチだか5インチの砲"というやつは,陸軍ではそれに該当する砲は少ないので,(M1897 75mm野砲じゃないだろう)これも艦砲の流用かと.

 沿岸砲に艦載砲の転用が多いのは,用途が限られているのと,軍艦と砲撃戦をやるためには,同等の威力の砲が必要だからです.

軍事板,2002/08/04

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