【回答】
道路の利便性って,これが滅茶苦茶重要.
道路は整備されてるに越したことは無い.
無論,戦闘車輛であれば路外機動性に長けてるのが望ましいのはもちろんなんだけど,
現代の日本みたいにそれが機動戦術のためだけに要求されるのは,しっかりと鋪装された道路網が縦横無尽に走っているのが前提の,極めて贅沢な考え方.
戦闘状態に限れば,機動戦を仕掛けないか,限定的になるのを許容できるのであれば,路外機動性については度外視できたり妥協できたりする.
逆に機動が重要な兵種やドクトリンだと,路外機動性がないとお話しにならない.
道路にそってしか進めないんじゃ,敵部隊の横や背後を突くのが困難になるから.
WW2当時のドイツで,輸送車輛や偵察・雑務車輛にも装軌や半装軌がかなりあったのは,戦術機動以前に東方面のインフラが極めて貧弱で,路外機動性がないと侵攻作戦自体に難があったから.
戦車はそのまま長距離移動はしないけど,トランスポーターに載せて移動するから,道路が整備されてないと移動させられない.
まあ,まず鉄道だろうけど,駅までは道路使わないかんしね.
移動速度も舗装路面と,未舗装路面じゃ,大きく違うし,後続の補給部隊の移動速度も大きく違ってくる.
イラク戦争でアメリカがやった様に道なき道をキャラバンする際には,後続車輛のために舗装道路を確保しながら進むのが基本.
この場合,先遣隊はあくまで路外機動性の向上により,幹線道路に拘束されにくい動きをみせられるのであって,逆に路外機動性が貧弱な場合は,鋪装された路面に拘束された侵攻ルートをとらざるを得なくなる.
ただ,道路というのは,当然のことながら,待伏せされるのは最適の場所なので,そのリスクは当然織り込むべき.
戦闘状態でのんきに道路使ってたら,的にしかならん.
現に補給縦列が,空襲や待ち伏せで壊滅した戦例は,なんぼでもある.
ドイツのアウトバーンも,戦争に貢献してるよ.
侵攻作戦そのものより動員と部隊移動,そして運送に関わってだけど.
ただし実際には,アウトバーンは第2次大戦時には部分的にしか完成しておらず,その部分だけは少し効率よく動けた,程度のものです.
また,戦車などの重量車輛を大量に継続的に運ぶようには作られておらず,結局,国内戦略輸送は鉄道に大きく依存しており,アウトバーンの存在価値は限局的なものでした.
舗装路の軍事における有用性については,おっしゃるとおりです.