【質問】 戦前日本では,海軍大臣と軍令部総長はどちらが偉いのですか?


 【質問】
 敗戦前の日本では,
軍政を海軍省が,
軍令を軍令部が
担当していたということですが,海軍大臣と軍令部総長はどちらが偉いのですか?
 両者間は指揮監督関係にあったのですか?
 警察庁長官と警視総監みたいな関係ですかね?
 どなたか教えてください.

 【回答】
 海軍省は「役所」としての海軍.現在だと防衛庁にあたる.
 軍令部は「実戦部隊」としての海軍.現在だと統幕会議だっけか?(失念!)

 どちらが上かは,伏見宮の軍令部長・総長時代の前と後で違うでしょう.
 陸軍と違って,海軍の人事権は海軍大臣の専権事項ですから,軍令部長・総長の人事権も海軍大臣が握っている建前ですが,伏見宮が総長となって以降,総長退陣後も,上層部人事には伏見宮の承諾が必要になって行きますし,海軍内部での「偉さ」の指標である先任順位も,米内の2度目の海軍大臣期を除いては,軍令部総長の方が上です.
 ただし海軍大臣職と次官職は,武官職ではなく文官職なので,先任順位には拘束されませんが.

 米内が1度めの海軍大臣を務めた後,伏見宮軍令部総長後任の最有力候補となり,米内が首相となって予備役編入となることに,伏見宮らが強い難色を示した点からも,この時期には実質的に,軍令部総長の方が「偉く」なっていたと思われます.

軍事板,2002/09/12

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