【回答】
新撰組を善として描いた講談などもあったことはあったけど,どちらかといえば,明治・大正の頃には,新撰組は賊軍扱いだったよ.
新撰組の調査のために,今でいうインタビューを受けたある元隊士は,必死に「自分は騙されて新撰組に入ったんだ」みたいな,自己保身の証言を残している.
その頃は,新撰組の隊士だったことは,誇れることではなかったわけ.
有名なところでは,大正時代に書かれた大佛次郎の『鞍馬天狗』.
新撰組は完全に悪役だ.
それが昭和に入って,子母澤寛の『新選組始末記』などで,ようやく新撰組が再評価されはじめ,映画などでもいいイメージで描かれるようになった.
そして,新選組のいいイメージが決定的になったのは,やはり戦後.
なんといっても,司馬遼太郎の小説『新選組血風録』と『燃えよ剣』や,それらを元にした映画やドラマなどによるところが大きいだろう.