【回答】
空を飛ぶ獣を騎獣にする部隊
平野耕太『ドリフターズ』にもろに出てくるじゃん.
他にも,空飛ぶ獣を軍事的に運用してる先達の作品として,以下を挙げておく.
「皇国の守護者」(佐藤大輔)
「A君(17)の戦争」(豪屋大介)
「テメレア戦記」(ナオミ・ノヴィク)
単なる設定というだけでなく,それらの要素をいかに活用して,創作に仕上げるかの参考にもなると思うので,一読をお薦めする.
空を飛ぶ獣同士で空中戦させたいのか,
地上に降りて騎乗したまま戦うのか,
地上に降りたあと騎手は降りて徒歩で白兵戦をするのか
で,どういう装備になるのかは変わるし,また,その「空を飛ぶ獣」の形態――翼の位置とか騎手が鞍をかける位置とか首の長さとか,邪魔になったり死角になったりしないかとか――によっては騎手が手持ちするのは難しいということもあるので,その辺の設定を煮詰めないことには,何のアドバイスも出来ない.
とりあえず自分も似たようなことを考えた事があって,ワイバーン的な獣は,空中で騎手が長大なランスを抱えて(半分ワイバーンの体に固定だが),馬に乗る騎士のトーナメントよろしく正面からどつきあって,相手の騎手を墜落あるいは気絶させるか,あるいは戦闘機のドッグファイトよろしく後ろを取り合い,やはり騎手をどついて墜落あるいは気絶させる.
グリフォン的な獣は,獅子の前足を持ってることを活用し,空中機動から地上に降りて敵歩兵を蹂躙.
騎手はグリフォンの制御だけで,個人武装はグリフォンから降りた時の自衛用の剣ぐらい,というように設定した.
これらは,
「飛行する獣の大きさにもよるけど,騎手が獣の背中に乗ったまま,剣で斬りあうには遠くないか?」
という考察による.
なので,クソ長いランスか,騎手は直接戦わないか,という所に落ち着く.
16〜17世紀ポーランドの騎兵フッサールの持っていた騎上槍も,長さ4メートル強という長さを持っているものがあった.
ちなみに,ランスではなく槍(スピア)でもいいんじゃないか?とも思ったが,空中である程度の距離(飛行する獣同士の翼などが接触して,お互い墜落しないために)を獲りつつ,槍を振り回すのは,槍の必要な長さ的に無理だろう,と思ったので,結局真っ直ぐ正面を向く状態で固定し,地上のランス騎兵と同様に正面から突撃する形態がせいぜいだろう,と思った
別に,ランス形状ではない槍でランスチャージを行っても良いんだろうけどね.
敵を突き落とすだけなんだから,ただの長い棒っきれでもいいんだし,穂先が刃物で尖ってる必要も無い.
何にせよ,人を載せて飛ぶ以上急降下時のG次第では,載っている人間が気絶しかねんので,高速機動を織り交ぜるような戦闘は,厳しいかもしれん.
一方,対地攻撃では,十分に速度の出る獣なら,フレシェットという手がある.
第1次世界大戦の対地攻撃機で使われた,矢の束を空中から落とすだけの代物だが,投下時の飛行速度と重力加速が加わる・弾数が多いので,特に集団を攻撃するには恐ろしく効果的だった.
この時代の戦闘機の速度は,弓で放つ矢の飛翔速度とほぼ同程度なので,威力も十分.
(似た手は,第2次世界大戦頃のイギリス軍でもやってる.
彼らは猛毒に浸したミシン針数万本をばらまく,特殊爆弾を計画してた.
これなら速度が小さくても効果が見込めるが,鎧を着た兵士相手には,覆われていない部分に刺さらないと効果が無さそうだけど.
ちなみに英軍のこの計画は,針の在庫がいくらあっても足りないということで放棄された.
機械工業の時代でも,針の生産に困るくらいだから,ファンタジー世界では針を入手しやすい理由がないと,実現困難かも.
針状に割れる特殊な鉱石が,大量に採掘できる,とかね)
その獣の設定次第だけど,第1次世界大戦期の航空機と武装は,速度が似通ってて参考になるのでは?
まともな話を書くならば,新紀元社から出ている「うちのファンタジー世界の考察」ていう本が,まさにお前さんの設定を現実化してくれている解説本なので,参考にしな.
漫画と絵で,幻想生物やファンタジー世界の設定を書き解説しているから便利.
1,500円で,資料になる本が買えるよ.