【質問】 化学物質と細菌・ウィルスの「潜伏性」の違いを教えてください.


 【質問】
 化学物質と細菌・ウィルスの「潜伏性」の違いを教えてください.
 これは英語ですが,チオソマンについて,12時間の潜伏期間があるような書き方をしています.

 【回答】
 一番大きく違うのは,細菌やウィルスはどのくらいの量を体に取り込んでも,「症状の重さや発症して方の進行の速度」に影響はしても,「潜伏期」は変わらないのに対して,化学物質は取り込んだ量が多ければ,いくら遅効性って言っても「発症」は早くなりうる(潜伏期は短くなるか,無くなる)
 また,取り込んだ時点で致死量に到達すれば,遅効とか即効とか関係なく,即座に死ぬ.
 逆に,取り込んだ量が少ないと遅効はもっと遅効になるか,極度に薄いと効果そのものが出ない.
 つまり,12時間の潜伏期があるってのは,その潜伏期ぐらいになるような量を摂取した時という条件下での効果でしかない.

 というか,毒物の潜伏期が長いってのは,進行が遅いし人体への影響も大きくないって事なんだよ.

 そして,その12時間の潜伏期間ってのは個人差がある上での平均とか,最大とか,そういう類のもの.
 実験室で確認されたカタログ上のスペックであって,実際に散布したとしてその通りの効果を発揮するとは限らない.
 散布した場所で人間が「効果を発揮するための一定量を確実に吸入する」とも限らないんだし,鵜呑みにするべきじゃあないな.

Thiosoman is a moderately fast acting nerve agent capable of producing
casualities within 12 hours of dissemination or exposure by personnel.

 これを読むかぎり,
「チオソマンは12時間以内に死者を出す可能性のある,比較的作用の早い神経ガスである」
と書かれてるけど,他の部分もざっと見たかぎりでは潜伏期間については,とくに記述がない.

軍事板,2011/09/12(月)

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