【回答】
イスラエルが今後,戦闘機を国産するかどうかは大変疑問です.
全技術資料付きのデッドコピーでもない限り,現代の戦闘機を国産するには大変な費用,時間,技術基盤が必要だからです.
イスラエルは南アフリカと共同して,見通し外射程兼短距離AAMを国産開発しましたが,搭載予定はF-16あるいはF-15となっています.
イスラエルの次期戦闘機としてもっとも注目されているのは,F-15をイスラエルが購入するか否かです.
これによってメーカーのラインが生産を続行できるか,閉鎖することになるかが決まるからです.
同時に,選定が遅くなればラインは閉鎖されますから,イスラエルにとってF-15の選択肢がなくなるという側面もあります.
F-22の供与も話は出ていますが,高価格であり,イスラエルに配備されるとしても,だいぶ先になること,周囲の空軍力,対空能力を考えると能力過剰の可能性があることから,少なくとも現時点では真剣には考慮されていないようです.
JSFについては不明.
ユーロファイター(タイフーン),ラファール,グリペンなどの選択肢は,今のところ,少なくとも検討されていないようです.
もっとも,イスラエルと関係の深い南アが,グリペンを採用しましたから,イスラエルが興味を持つ可能性はあります.
いずれにせよ,本気で戦争しないといけないイスラエルが,効率の悪い国産戦闘機開発に,予算と時間をかけることは考えにくいのです.
国際関係が変わって,孤立化すれば話は別でしょうが,米,欧,南ア,中国と関係を保つイスラエルが,完全に孤立することも,また考えにくいのです.
まあ,最近はイスラエルから中国への技術漏洩が表面化して,アメリカでのイスラエル株は下げ気味ではありますが.