【質問】 アメリシウム241って核兵器に使用しないの?


 【質問】
 アメリシウム241って核兵器に使用しないの?

棄車保帥 ◆jGok8klrco in 軍事板,2010/12/12(日)

 【回答】
 代替核物質まとめ回答.
 プルトニウム,ウラン以外の兵器に応用可能な核分裂物質として,トリウム,プロトアクチニウム,ネプツニウム,アメリシウム,カリフォルニウムが挙げられます.
 このうち,現時点で兵器として実用可能なのはトリウムです.
 ウラン以上(鉛並み)に豊富に存在し,レアメタル精製の副産物として得られます.

 しかし,単独では連鎖反応を起こさないため,熱核兵器のタンパーとして3段目の核分裂反応に寄与する程度の使用方法しかなく,それもU-238に劣ります.
 U-238を使うのが正解.

 プロトアクチニウムは臨界量が大きすぎ(あるいは無限大しても不可能),ネプツニウムは20〜100kgの臨界質量とはなりますが,Np-237は半減期も長く使用可能.
 しかし人工元素であり,大変高価で割に合いません.

 アメリシウム(Am-241)も臨界質量は25〜85kgと大きく,高価で,自壊によって大きな熱量を常に放出するため,兵器としての実用化は困難です.
 Am-243の放熱はマシですが,Am-241から人工的に作るため,大変高価です.

 カリフォルニウムは臨界質量が2〜6kgと小さく(反射材,爆縮によって1kg以下にできる),小型核兵器には魅力的,製造も可能ですが,一発あたりの原料費が(Cf-251の場合)1兆円を越えると言われています.
 無理っぽい.

system ◆systemVXQ2 in 軍事板,2010/12/12(日)

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