【回答】
存在する証拠も存在しない証拠も,無い.
しかし,今まで「M資金(またはそれに類する謎の資金)」といって明るみに出た事件は,すべて詐欺だとされている.
もしM資金またはそれに類するものが存在して,巨額の融資を受けた人物がいるとしても,その人が
「私はM資金から融資を受けた」
などと口外するはずはないから,当分,真相は謎のままでしょう.
ただし,それとは別に,第2次大戦終結後の混乱のさなかに行方不明になった,政府や日本軍関係のカネは,非常な巨額に上がると言われている.
その一部は実際に,国会で追及されたこともあった(が,うやむやのまま).
児玉誉士夫その他,そのカネを利用してのしあがったといわれる政商も,何人もいる.
これも真相は当分不明だろう.
以下,蛇足:
一般人は,M資金絡みの詐欺話とは無縁と思われがちだが,案外そうでもない.
私事で申し訳ないが,結構大きな病院の経営者である親戚のところに,十年ほど前,
「スイス銀行が日本の医療関係者に,秘密裡に低金利の融資をすると言っているが,のらないか?」
という話がもちこまれた.
融資を受けるにも一定の条件があり,その他いろいろな飾りつけがなされていたが,それらは伏せる.
M資金詐欺だと判断し,親戚は断ったが,
「もしかしたら本当だったかもしれない」
という気持はぬぐいきれなかったそうだ.
世界史との絡みで考えると,古くは中世欧州に「プレスター・ジョンの黄金伝説」なんてものもあったらしいし,「隠された宝物」という線で考えれば,この手の話のルーツはきわめて古い.
しかし,ルーツが古くてありふれているということが,嘘だという証拠にはならないので,いつまでもこの手の話が絶えない.