【回答】
格納庫を山肌刳り抜いて作るというのは,スウェーデンとかに実際にあるよ.
というか,岩盤を繰り抜いて,トンネル状の格納庫や司令部等を作るのは,オーソドックスな軍事設備の作り方.
変わった所では,アメリカのNORAD(北米防空司令部)は山の岩塊を丸々くりぬいて,大きな空洞作って,そこにショックアブソーバーを設置した上で,ビルを載せたような構造になっている.
これは,大威力の核兵器の直撃に耐えるため.
そうではなく,滑走路がトンネル状になってる…というのは実在はしてない.
そんな空母以上に発着艦の難しい施設,事故率が上がるだけで無意味.
事故ったら完全に使えなくなるし,周囲が囲まれた滑走路で事故が起きたときのダメコンは絶望的だろう.
それに,開口部を攻撃されたら,それで基地機能喪失.
88でも被弾機が降りようとしてる所に,燃料切れの機が割り込んで降りようとして,シンに「排除」される場面があったが,あんな入り口兼滑走路をいくつも用意してあるならともかく,滑走路で事故でも起こったら,後は全機喪失なんて,どう考えても実用的じゃない.
そして,エリア88の面々は山間部の気流がいかに複雑で,トンネルを出た途端横風を食らっても,ものともしない猛者ぞろいだと言う点は抑えておいて欲しい.
http://www.maeda.co.jp/fantasy/project05/index.html
http://www.gundam.info/content/604
その上,3000m級の滑走路を,まるごと掘削するなら,掘削だけで数兆円オーダーのコストがかかる.
コストパフォーマンスを考えたら,地上に飛行場を複数分散させた方がお得.
世界観が異なるが,たとえば「前田版ジャブロー」の全長はだいたい3.2km,幅1.5km.
高さは同じ100mとして,総体積は4億8,000万立米.
その1%を人工掘削するとして480万立米.
故に4,800,000/35,000=137.
これは地下発電所137個分.
つまり土木にかかる費用は,掘削工事だけでも14×137=1,918億円になる.
出撃専用という基地ならあるが,それでも着陸は普通の滑走路か強化された自動車道路,というのがほとんど.
スウェーデンの航空基地では,サーブ 39 グリペンなんかのSTOL機は,高速道路に面した山の斜面に作った,シェルター型の発進基地からも出撃できる設計になっている.
まあ,普通に考えれば,地上に分散して基地作ったほうがいいんだけれど,それが中々出来ない中立国スウェーデンの現状があるのよね.
ただし北朝鮮の秘密基地(笑)には,格納庫を山体の中に隠し,そこから山を貫通した形で滑走路が付けられているものがある.
実用性については,上述の通り怪しい代物だが.
何しろ滑走路はバッチリ見えてる訳で.
衛星から写真を撮られても,運用状況が掴まれにくい,と言う利点はあるが.
旧日本軍も,山をくり貫いて格納庫と基地施設を置いた山中秘密要塞を計画したそうだが,これも秘匿と爆撃対策だったらしい.
実際は,トンネルちょっと掘っただけで終わったらしいけど.